笑顔になれる野菜の童話

この度の童話は、読者の方々に笑顔を提供したいという願いの下に創作いたしました。笑える童話!読んで楽しくなる童話!です。日本に笑顔があふれていくのを、見たいと思います。歌声も愛らしくおもしろいので、笑ってください。大人の方々には、笑顔で毎日を乗り越えて貰えれば、このサイトは目的を達成したと考えております。どうぞ、最後のページまでお読みくださり、おおいに笑ってくださいますように・・祈りをこめて。

 

 

童話「大物キュウリくんの笑い声」

みずみずしいキュウリは、本当においしいですね。でも、キュウリくんだって、ちゃんと子孫を残さなければなりません。ちょっぴり高慢になったキュウリくんでしたが、心を入れ替えたのかな?最後には、必死の努力が達成されて、大喜びのキュウリくんの笑い声が聞こえそうな物語です。


 

 

大物キュウリくんの笑い声

童話『野菜の歌声』のきゅうり

キュウリのカンバくんは顔が長いけど気持ちも長いのです。
なぜなら、一本の苗にオスとメスが一緒にいるので、短気では実らないのです。
実ったカンバくんは、とても雄々しく勇気があります。
水もしたたるおいしいキューカンバなのです。
強くって、自分に自信があるから世界中の人さまに、売り込みもちゃんとできるのです。

だから、こんな歌をいつでもどこでも、歌うのです。

♪~♪
一文字 くの字も 元気でデリシャス
カリカリ かじれば わき水さ
顔が長けりゃ 気も長いのさ
オスメス仲良し 一つの枝だもの
カッカッカッと 笑顔のキュウリ
心にゃ 大和たましい もってるぜ
だれにも負けない 大物笑い
カッカッカンバの キューカンバ
二本たべれば 日本一
おいしいキュウリの 大笑い
♪~♪

どうして、こんなに強い大物になれたのかな?
夏に、キュウリのカンバくんの畑を、訪ねてみました。
見ると・・・野菜畑で一番背の高いノッポのキュウリであるカンバくんは、誇らしそうです。
畑のみんなからは、大物あつかいされていました。
でも、夏も終わりが近づいてくるとションボリしてきました。
どうしたのでしょうか。
カンバくんは、悩みはじめていたのです。
「どうして、人さまは僕の実を、次から次へポッキンポッキンとばかりに、もぎ採ってしまのだろう?」
カンバくんの長い青い実は、少しだけですが、握りこぶしのような葉っぱからはみ出しています。
だから、実を隠すのがむずかしいのです。
カンバくんは、自分の実を人さまたちに食べてもらうのが嫌なのでは、決してありません。
大物ですから、ケチケチとしていたのではありません。
悩むのには、だいじなわけが、あったのです。
「最後には、ぼくの子供を、なんとか残さなければ!」
そうです。
今のままでは、子どもになるはずのたいせつな実を残せなくなる、と心配しているのでした。
それで、カンバくんは自慢のノッポの力を使い、できるだけ高いところへ高いところへと実を付けるようになりました。
「ようし、これで大丈夫。人さまにも届きっこないぞ!」
と、すっかり安心します。
でも、朝になると・・人さまは、工夫して上って来ては、やっぱり次々ともぎ採っていきます。
カンバくんは、朝露にぬれながら、体を「く」の字にしてまでも、考えつづけます。
顔が長いように、気も長いカンバくんです。
それでも、なかなかグッド・アイデアがひらめきません。
ついに、カンバくんは短気になって、つぶやきました。
「もう、だめだよ。高いところもむだなら、もう何もできないや。」
あきらめて、大きなお空をあおぎました。
すると、カラスが大きな羽を広げながら地面に飛び降りようとしています。
それを見ていたカンバくんがさけびます。
「あっ、そうか!」
とてもいいアイデアがうかんだのでした。
「ぼくも大きな葉っぱをつければ、実をかくせるかもしれないぞ!」
自分のすばらしいひらめきに、自信がわいてきて気持ちがわくわくしてきました。
でも、まもなく・・・また悩みはじめます。
「ああ、ぼくは上に伸びることは得意だからできる。だけど、葉っぱの大きさは、自分ではどうにもできないんだっけ。」
強いカンバくんは、自分にできないことがあるのを知って、すっかりがっかりしてしまいました。
それでも、残したい子どものことを思い、またお空をあおぎます。
「お空は、ぼくよりずっとずっと高いなあ。得意なことがたくさんあるに違いないなあ!」
そんなことを考えているとき、お空の遠いところでゴロゴロ!と雷さまがとどろきます。

その音を聞いたカンバくんは、あることを思い出します。
「あっ!そうだ。神さまが、ぼくが生まれた日に願いを一つだけかなえてあげる、って言ってたっけ!」
野菜畑で一番に背も高くなり、目立って得意にばかりなっていたカンバくんでしたが、やっと自分より、お空が高いことと高い神さまのことを思い出したのです。
忘れていたじぶんが情けなくなったカンバくんでしたが、すぐに元気になり、葉っぱのことをお願いしました。
すると、次の朝には幅の広い大きな葉っぱが出はじめたのです。
「わ~い、やったぞ!」
と、カンバくんは細長い実を隠してくれる大きな葉っぱを、ユラユラゆらします。
夏の終わり、葉っぱのかげで子どもの実が残り、黄色に熟しています。
カンバくんはうれしそうです。
でも、じつは・・・大きな葉っぱのおかげで子どもが残ったのではなく、人さまの知恵で残れたのです。
それを知らないカンバくんは、「カッカッカッ!」とうれしくって大笑いです。
こうして、ほんとうの大物になったカンバくんは、とても幸せになったのでした。
畑で、大物キュウリのカンバくんが、得意になって歌います。

♪~♪
一文字 くの字も 元気でデリシャス
カリカリ かじれば わき水さ
顔が長けりゃ 気も長いのさ
オスメス仲良し 一つの枝だもの
カッカッカッと 笑顔のキュウリ
心にゃ 大和たましい もってるぜ
だれにも負けない 大物笑い
カッカッカンバの キューカンバ
二本たべれば 日本一
おいしいキュウリの 大笑い
♪~♪