童話『野菜の歌声』について

おいしい野菜たちが、広い畑で毎日元気に歌っているのが、分かりますか?
お皿の上でも、野菜たちの歌声が、聞こえてきますよ。
赤、白、緑と彩りも豊かに勢ぞろいして楽しそうに語りかけます。
キャベツ・トマト・キュウリ・レタス・にんじん・ピーマン・ほうれん草・ネギ・大根・ゴーヤ・なす・白菜・ゴボウなどなど皆!皆!ハッピーな野菜たちです。
なぜって?それは輝くお日さまと優しい雨に抱かれて、農家の人たちの愛情のこもった世話のもとで、大切に育てられた子どもたちだからです。
今や、日本産まれの安全な野菜たちが世界中へと、運ばれていく時代になりました。
故郷を離れて遠い遠い地の果てまでも、巣立っていく野菜たちの気持ちって、どんなかな?
大丈夫!好奇心たっぷりの元気な野菜たちは、わくわく!ドキドキ!未知の世界を夢見て、希望に胸をときめかせています。
では、そんな日本野菜のジュニアたちが大きな声で歌う声を、聞いてみてください。
そして、八百屋さんやスーパーの野菜コーナーで、レストランや食堂で、家のテーブルの上でも、野菜たちのおいしい声に、耳を傾けましょう!
ほら♪明るく楽しい歌声が聞こえてきます♪
そんなかわいい野菜たちの童話をお楽しみください!

童話専門のサイト

このサイトは、短編の楽しい童話だけで構成されています。 出来るだけ多くの方々にお読みいただき、気持ちが「ほっこり!」していただければうれしいです。無料で提供しております。

今回は、毎日食べている野菜たちが主人公です。 見過ごしがちな野菜たちに、拙著の童話中の歌などを思い出してもらい「にっこり!」おいしく食せますように! 他にも、心温まる童話のサイトを提供しておりますので、そちらもご覧くだされば幸いです。

 

 

モバイルサイト表示

モバイルサイトを表示する(タブレット用)

おすすめ童話集

こちらもどうぞ。
童話の宝石箱
続・童話の宝石箱
カラスの童話
童話集-草花編
童話集-動物編
プチ童話館
心に童話を!
四季の童話集
携帯・スマートフォンでもお読みになれます。
URLをメールで送信

童話「キャベツのママは幸せな仕立て屋さん」

いつも見ているキャベツさん。でも、その葉っぱの一枚一枚には、深くて甘い愛情が込められていたのですね。母としてのキャベツは、かわいい子供のために!せっせと洋服を着せていきます。空の下の大地に広がる畑での母と子の童話のストーリーを、お楽しみください。そして、今度・・キャベツを見たら、優しい歌声を思い出してね。好きなメロディをつけて、一緒に歌えば、もっともっと、おいしく「ルンルン」と、キャベツを食べられるでしょう!

 

 

キャベツのママは幸せな仕立て屋さん

童話『野菜の歌声』のキャベツ

広い空に、キャベツ畑からやさしい歌声が、響いています。

♪~♪
キャベツのママは やさしい母さん
日本に嫁いで150年
ほのかな香りは 大和(やまと)のあかし
キャ キャ キャベツの赤ちゃんタマナ
着ぶくれしていく キャベツの子
ママにあまえて まるくなる
あったかママの 心いき
ハートの手づくり ファッションショー
今日もいちまい 着せられて
あんしん しあわせ キャベツのタマナ
ママにつつまれ ヘルシー畑
きょうも あしたも まるまる幸せ
♪~♪

キャベツのママが、子守歌を口ずさんでいるのです。
ママは、空を見上げて、思い出しています。
今から、150年前の遠い昔にヨーロッパからここへ嫁いできて、落ち着いた日のことです。
お船に揺られて長い旅をして、着いたのがこの日本でした。
この土地が大好きになったキャベツのママは、この国の人たちに喜ばれようと、どんどんおいしくなる努力をしてきました。
そして、今日も小さな小さなキャベツの子どものタマナちゃんは、ママの根元に埋まっています。
優しいママは、いつもタマナちゃんを包む手作りのお洋服を着せるのが、幸せなのです。

そして、愛情をこめて歌うのです。
子守唄を聞きながら、甘えん坊のタマナちゃんが、言います。
「ママー、今朝はちょっぴり寒いよ。」
「そうねぇ。タマナや!今日はお洋服を一枚着せてあげようね。」
そして、夕暮れです。
「ママー、夕方になったら、また寒くなったよ。」
「そうねぇ。もう一枚、お洋服を着せてあげるね。」
こうして、いつのまにか、キャベツの子どものタマナちゃんは、大きくまーるくなります。
着ぶくれしてしまい、はち切れそうです。
それでも、優しいキャベツのママは甘えん坊のタマナちゃんに、お洋服をどんどん着せていきます。
知らんふりしているタマナちゃんですが、ママの甘いハートを、ちゃんと知っているのです。
だから、タマナちゃんのハートも甘いのです。
その証拠に、お洋服の一枚一枚のどれもこれも、ほのかな甘い香りがするのです。
やがて、大きく育ったタマナちゃんはキャベツのひとりとなって、朝早くにママから巣立っていきます。
ママは祈ります。
「神さま、どうかタマナがどこへ行っても捨てられませんように!人さまの皆に感謝されて、食べていただけますように!」
ある朝、聞きなれた人さまの声が、聞こえます。
「おおっ!立派、立派!これこそ我が畑のキャベツだ。お前たちは、世界へ行くのだから、がんばるんだぞ。」
そうなのです。
立派なキャベツになったタマナちゃんと仲間は、世界中へお船に揺られて、乗り出すのです。
ママの故郷のヨーロッパにだって旅しちゃいます。
ママのキャベツにとって、子どもたちは、うれしい誇りです。
日本に嫁いで150年経った今、ママよりも大きく甘く柔らかくなった子どもたちが、世界中へ飛び立つのです。
キャベツのママは、お空を見上げてうれし涙をポツポツとしたたらせながら、言いました。
「神さま、ありがとうございます。これからも生まれてくる子どもたちに、愛情を持って洋服を作り、着せていけますように!」。
お日様が、キャベツのママへ、ニコニコとほほえんでいます。
そして、きょうも、キャベツ畑は、日本晴れです。
幸せな仕立て屋さんである、キャベツのママの子守唄が、流れます。

♪~♪
キャベツのママは やさしい母さん
日本に嫁いで150年
ほのかな香りは 大和(やまと)のあかし
キャ キャ キャベツの赤ちゃんタマナ
着ぶくれしていく キャベツの子
ママにあまえて まるくなる
あったかママの 心いき
ハートのてづくり ファッションショー
今日もいちまい 着せられる
あんしん しあわせ キャベツのタマナ
ママにつつまれ ヘルシー畑
きょうも あしたも まるまる幸せ
♪~♪